みんなの広場

学芸員の投稿
Update: 2013年12月24日
柚の香りがいっぱいに漂う柚味噌づくりの盛松寺
 河内長野市の楠町にある與通の大師さんで親しまれている仏日山盛松寺で、冬至に食べると万病に効くとされる弘法大師伝授の「柚みそ」づくりが行われ、ほのかな甘酸っぱい柚の香りが本堂に広がりました。
 12月19日「柚みそ」づくりが始まるに際して住職を導師として集まった壇信徒の女性たちによりお清めのお経が御本尊にあげられます。
 柚の実を1つずつ、蔕の少し下の部分で切り、そこからくり抜いて中の実を丁寧に取り出します。取り出された実の部分から種を取り除きます。この種の除去が大変面倒な作業ですが、種が残らないように丹念に取り除かれます。このように処理された実を俎の上で包丁でたたいて出来るかぎり細かくなるまでみじん切りします。見た目ではペースト状になるまで丹念に叩き切ります。このようにした柚の実と白味噌(粗味噌)を混ぜて、白味噌と柚の実がまんべんなく混ざり合うまで丹念に和えます。この際、種を除く過程でできた柚の果汁で風味をだしたり硬さを調整します。
 このようして作られた柚みそを再び、実を刳りぬいた皮の中に詰め込み、先に切り取った蔕の部分で蓋をします。そして透明な袋に1つ1つ丁寧に入れて心を込めて完成します。これを「終い大師」の日までねかせると、柚と味噌が熟成して美味しくなるそうです。
 4時間ほどの間で約700個つくられ、御本尊にお供えされます。「終い大師」の21日午前9時から参拝者らにお供物として配られます。
 この「柚みそ」は、唐に留学した弘法大師が帰国した後に槙尾山施福寺へ行く途中、附近に立ち寄られ疫病に苦しむ村人のために伝えたとされています。
Written by 岩湧太郎
学芸員の投稿
Update: 2013年12月24日
親日の国「トルコ」
19日、桃山学院大学の今澤浩二准教授による「親日の国トルコ」の講演会が行われました。
「トルコという国には、特徴があります。その中の重点は、「文明の十字路」です。ヒッタイト⇒トロイ⇒ギリシア時代⇒ヘレニズム時代⇒ローマ帝国⇒東ローマ(ビザンツ)帝国⇒ルーム・セルジュク朝⇒オスマン帝国と、東西の文明が流れ込んできて、独特の文化圏で栄えました。
1889年、オスマン帝国軍艦エルトゥールル号がインド洋を回って、日本へ親善訪問で寄港して、明治天皇に拝謁して、横浜港を出港しました。その後、帰国の途中に、和歌山県串本町の樫野崎沖で、台風に遭遇して座礁して、沈没しました。大島地区の住民が親身になって捜索・救助活動を行いました。死者は600名にのぼりましたが、69名が救助され、金剛・比叡の2隻の軍艦で、トルコへ送還されました。これは当時、世界最大の海難事故でした。全国から義援金・弔慰金が届けられました。現在でも5年毎に慰霊式が現地で行われています。
忘れてはならないこととして、イラン・イラク戦争が勃発して、1985年、サダム・フセイン大統領が突然、48時間後に、イラン上空を通過する航空機の無差別攻撃を宣言しました。イランの日本大使館が、在留邦人に対して出国勧告を行いました。政府は日本航空にチャーター便の派遣を依頼しましたが、拒否されて、八方手を尽くしましたが、各国は自国の救出で手いっぱいでした。
トルコ政府(オザル首相)が最後の救援機を2機手配してくれて、日本人200名以上を救出してくれました。トルコの自国民500名は、危険な陸路でトルコへ向かいました。エルトゥールル号の話が、小学校の教科書にも掲載されていて、皆、勉強しているので、その恩返しが行われました。
トルコ人のパイロットやキャビンアテンダントの勇敢な心を知ることが必要です。」と結ばれました。
Written by マロンさん