みんなの広場

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Update: 2012年12月26日
平成24年度ボランティア企画展「河内木綿織の技と美」展
平成25年2月3日まで、大阪府立狭山池博物館特別展示室で開催されています。
工楽善通館長は「当館では平成21年度から大阪府と大阪狭山市、市民団体による三者協働運営の一環として、博物館ボランティアの企画による展示に取り組んでいます。狭山池がもたらした「水の恩恵」をテーマとして活動するボランティアグループが、河内地域で広く栽培され、隆盛した「河内木綿」について紹介しています。現在では主として旧家等に伝わる古布や収集家によるコレクション等にかつての隆盛が偲ばれます。そうした「河内木綿」として伝えられる古布には、伝統的な価値があると言われ、その伝統的技術の保存・継承しようという活動も行われています。今回の展示では「河内木綿織」に焦点を当て、綿の実から糸を紡ぎ、布になる過程や「河内木綿」の美しさや風合いをご覧いただければ幸せです。展示にご協力いただいた皆さまに謝意を表します」と挨拶されました。
展示の構成は、○木綿づくりから機織りまで、○今に伝わる河内木綿、○継承される河内木綿の機織り、です。
「出土品からみた機織りの歴史」という講演会が、1月20日13時30分から講師に黒須亜希子さんを迎えて、2階の大ホールで行われます。定員は先着順で100名です。
今年は体験コーナーに「綿繰り機」と「綿打ち弓」、「糸車」を備え、実綿から糸紡ぎまでの工程を体験できるようになっています。初日には、早速希望者(子ども・大人)が現れ、好評でした。また、ダンボール台紙を用いた「簡易織り模型」は、ボランティア女性2名の方が用意しました。その他にも、副館長・学芸員・ボランティアの手づくり機織り機が製作中で、これが完成すると更に面白くなると思います。
なお、今回出展いただいた「米谷コレクション」の蔵品が数百点、博物館に持ち込まれています。
Written by マロンさん
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Update: 2012年12月21日
御堂筋イルミネーション
大阪の冬の風物詩となった御堂筋イルミネーションは、大阪のシンボルである御堂筋のイチョウをイルミネーションで装飾することにより美しい景観を創出し人々をひきつける賑わいをつくっています。
最近では、OSAKA光のルネサンスと一体化し、車道中央2列のイチョウの幹を強調した「光の列柱」や、枝に光の星屑をちりばめた「星屑イルミ」を配置し、御堂筋の長い見通しの景観を活かしながら一段と華やかさが増すデザインになっています。
また、エリアごとにまとまった色調にもなっています。
配置デザインの工夫により、LEDの球数を昨年度よりも20%削減して約88万球になったそうです。
Written by ユーミン
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Update: 2012年12月21日
こまーしゃる・あーと(明治・大正時代の広告展)
河内長野市立ふるさと歴史学習館でくろまろ館企画展示「こまーしゃる・あーと」展が1月27日まで開催されています。
商業美術の歴史は、その昔、商品を棚に並べたことから商店のことを「棚」と呼ぶようになりました。時代劇でよく耳にする「おたな」は商店のことです。また、商品を並べ“見せる”ところを「見世」、すなわち「店」になったと言われています。店の中で何を売っているのかを示すために、掲げられるようになったのが「看板」や「暖簾」です。それらは文字だけではなく、誰にでも分かるように、商品の絵や店名を表す目印が入れられるようになりました。さらに、商品を売るために、店名や取扱商品の宣伝をするようになりました。今のチラシのような「引き札」、「絵ビラ」と呼ばれた印刷物を配るようになったのです。これらの広告は、商品流通から活発になり、経済が発展するとともに、より分かりやすく、多くの人々の注目を集めるものが求められるようになっていきました。
展示では、引き札に関する説明がありました。また、広告に関する色々なものも展示されていました。
学習館の高田さんのお話では、入口にある3枚の展示物が面白いとのことでした。
○ 高野山全図(大正6年)印刷は田村豊盛堂が行い、販売は珠数屋四郎兵衛が行ったものです。高野山の案内図のようなものです。
○ 大阪御霊文楽座番付(明治40年)発行人は上島英行さんで、印刷人が矢島弥一郎さんです。発行所は、美聲社で、広告にサッポロビール・エビスビール・アサヒビール・東京ビール・中将湯(津村順天堂:現ツムラ)や浅田飴・仁丹という現在も続いているメーカー名がありました。
○ 大阪毎日新聞(明治36年1月1日の付録)大阪で第5回内国勧業博覧会が開催されたときのもので、右端には大阪市内の地図が掲載されています。博覧会の会場や名所、関西鉄道(現JR西日本)の湊町・桜ノ宮・天王寺等の駅名が読み取れます。
Written by マロンさん
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Update: 2012年12月21日
12月の観光案内所のディスプレイ
「1年は早いもので、いつの間にかもう年の暮れとなりました。初雪もすぐそこに到来。本格的な冬支度の季節です。12月はクリスマスを全面的に演出しています。イベント紹介は、『寺が池公園のイルミネーションを案内所から発信します』です」と、観光案内所ディスプレイ担当のカサブランカさんのコメントです。「冬の花のイメージは、クリスマスをイメージして、赤・白・緑の3色を基調にしています。花のリースも添えました。河内木綿の綿の木のオブジェに、松ぼっくりを並べました」
一番上の書には、童謡が書かれています。「お正月♪」「もういくつ寝るとお正月 お正月には凧あげて…」と懐かしい童謡です。写真の展示のメインテーマは「師走到来」で、サブテーマは「寺が池公園のイルミネーション」として、イルミネーションの写真が8枚展示されています。今年は歓心寺でも、11月30日~12月2日までライトアップが行われていました。寺が池公園のイルミネーションは、12月25日の午後5時~9時まで行われています。また、河内長野市立文化会館(ラブリーホール)でも、ウィンターイルミネーションが1月16日の午後5時~10時まで行われています。
イルミネーションカフェは、1月10日~12日の午後6時30分~8時30分まで行われ、ジャズなどの生演奏が行われます。市内でもイベントが目白押しです。
右端には、河内長野市の「河内木綿の型紙展」の木綿の紹介ポスターが貼られていました。右端の下の台の上には、大野さんのお母様手づくりの人形が飾られて「寒い夜を散歩している少年」という題がついていました。何とも可愛らしいお人形です。
Written by マロンさん
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Update: 2012年12月21日
ガイド倶楽部8期生の研修に参加
12月10日に、かわちながの観光ボランティア倶楽部の高野街道班8期生の研修が行われたので、参加しました。朝から曇っていて、肌寒い一日になりそうだと思いました。金剛山は7時の時点で6cmの積雪でした。
8期生が2名と先生役の7期生2名、指導教官の竹内氏が参加しました。三日市駅前を9時半に出発して、一路、高野街道を紀見峠へ向かって歩を進めました。
三日市駅前では三日市遺跡と三日市北遺跡の2つがあります。弥生時代中期の遺跡は、150mの高地にあり、交易で栄えた特殊な遺跡であることを理解してもらいました。諸瀬では「諸瀬のアサリ水」を見てもらいました。
八里の里程標を過ぎると、道が国道に取り囲まれて、新町橋付近までは、交通に注意して進み、虫喰石や炭酸泉の噴出場所を探検しました。一国一宇庚申堂では、新人の方も色々なことを勉強されていました。
石仏村に久しぶりに訪れたら、古い民家が壊されていて、残念に思いました。
南天の道に入り、木立の中をゆっくり探索しました。薬師寺で休息し、御所の辻へ出て、千早口駅前で昼食場所を探しました。気温が下がってきて、どこか屋根のあるところを探しました。千早口駅前の駐車場跡地に「大地の里 友邦」というおふくろの味の店がありましたが、あいにく、10日はお休みでした(月・火曜日がお休み)。季節の野菜や花などの販売と、かまどで炊いたふっくらとしたご飯と手づくりのお惣菜がついた友邦定食が500円で提供されているそうです。事前に確認され出かけてください。電話は0721-21-1049です。
今回の参加者が、以前訪れてよかったので、昼食場所として案内してくれました。しかし、当日はお休みだったので、近くの材木工場の庭先をお借りして昼食をとりました。皆さんは、午後の研修に出発されたのですが、寒さで体調が悪かったので、リタイアして帰りました。
Written by マロンさん
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Update: 2012年12月13日
「みんなで語り合おう関西のエンタメシーン」の最終回
桃山学院大学の有名なキャシー教授(岸本喜樹郎)と嶋田崇彦くろまろ塾副学長との対談です。
「おはようございます。エンタメ展望講座の最終回となりました。「エンターテイメントビジネス論」を出版して、数多くの方々に登場してもらっています。本日は、くろまろ塾副学長の嶋田さんに参加していただきます。嶋田さんは、元朝日放送のアナウンサーで、昭和天皇が崩御されたときの報道を担当されていました。テレビ朝日で培われたお話しをお聞きしたいと思います」と話されて始まりました。
嶋田さんは「本日はテレビの可能性、テレビと映画の違い、演劇との違い、テレビ業界で生活した思いをお話しします。今日の心境は、『岸本先生のリードで嶋田が揺れる』という感じです」と話されました。また、「エンターテイメントの放送局を廻って、今を表現するものだと分かりました。テレビの素敵なところは、色々なジャンルを横断できることです。能の公演では、酒・月・能の三拍子を楽しむことが必要です。それを実現できればと思います。
テレビの総白痴化の問題があり、これではいけないという気持ちになって、作ってきたのだが新しいテレビだと思います。テレビ論を語るとき、面白いと話して、若い人が入れば変わると思います。
映画は、自分の中に閉じこもるもので、観たいという気持ちは、監督が表現したものです。テレビはプライベートな場所ではなく、パブリックな視点が必要です。何を言ってもよいものではなく、対話の場でもあります」と話されました。また、「河内長野地域で楽しく暮らしていきたいので、何が必要かを考えていきたいと思います。単に楽しかったということではなく、見たり、聞いたり、体験したりして、身体に残っていくものです。そこで、楽しく学ぶ場を作ることに主眼が置かれます。今後とも楽しさを学ぶ講座を作っていきたいと思います。」
Written by マロンさん
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Update: 2012年12月13日
2012年烏帽子形神社の冬の大祭り
12月9日の烏帽子形神社の冬の大祭と湯釜神事が行われました。当日は大阪で初めて雪が降る寒い日でした。金剛山には霧氷が出て、朝7時には5cmの積雪だったそうです。神主さんも雨でなくて、雪で少しはましだと話されていました。
始めに神主さんから神事について、五穀豊穣と生活安寧のためのものだと解説が行われました。次の年の平穏を祈念して行いますとのことでした。当日は、上田・喜多・小塩・楠ヶ丘・楠翆台の5地区の氏子代表が集まってお祓いが行われました。本殿にて、神主さんによる奏上があり、続いて、氏子の総代による玉串の奉天がありました。その後「祓戸大神」の石碑の前で、神主さんの祓い言葉が奏上されて、湯釜の中に塩・米・酒が入れられて、ヌサでお祓いをし、神主さんの前に、地区別に氏子代表が並んで、熱湯に浸した笹の葉を振り回していただき、水滴を浴びて健康を祈願していただきました。儀式は30分ほどで終了して、関係者は社務所へ戻られました。
お湯に浸した笹は、昔は家に持って帰り、牛に食べさせると病気にかからないとの言い伝えがあったそうです。
式展に使用する湯釜は、明治時代より前のものだそうです。年号は入っていませんが、銘が「烏帽子形八幡宮湯釜十一月朔日氏子中金屋市兵衛御鋳物師津田五郎兵衛」と刻まれています。インターネットで調べてみたら、『鋳物師津田五郎兵衛は、16世紀から17世紀に台頭した五位堂の鋳物師で、下田鋳物師の後を受ける形で出ています。「国家安康」で有名な京都方広寺大仏殿の梵鐘鋳造があります。脇棟梁として各地の鋳物師11人が協力している中に、五位堂の津田五郎兵衛が加わっています。慶長19年(1614年)4月に功績があり、他の鋳物師4名とともに「藤原求次周防少掾」を贈っています』と出ていたので、ものすごく素晴らしいものではないかと思いました。
Written by マロンさん
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Update: 2012年12月10日
牧村邦彦さんの「おもしろクラシック講座」その3
12月4日、河内長野市立文化会館(ラブリーホール)大ホール前のホワイェで、第3回「おもしろクラシック講座」の「トスカ」が行われました。
「私は世界史が好きで、1900年代という時代にあこがれます。その時代は、芸術家が生まれて、オリエンタルのものがヨーロッパと交流して、西洋と東洋がそれぞれの地域を交流することで、熟成していきました。それとオペラが終わった時代です。19世紀に、ワグナーが出てきて、オペラをぐちゃぐちゃにしていきました。4日間の連続公演などを行ったり、劇が続き、アリアが途中で入り、また劇に戻るというオペラスタイルが崩れました。アリアで盛り上がって拍手をもらっていたのに、作曲家が欲張りになり、アリアがなくなっていきました。それまでの歌劇は、歌手のものでした。
本日のトスカの登場人物の紹介をします。トスカは平野雅世さん、マーリオ・カバァラドッシ(画家)は二塚直紀さん、スカルピア男爵は松澤政也さん。解説は私が担当します。ピアノはお二人にお願いしています。
各場面にローマの各所が登場してきます。聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会(第1幕)、ファルネーゼ宮殿の一部(第2幕)、聖アンジェロ城の屋上(第3幕)等です。オペラの醍醐味の素晴らしい各部のアリアを歌ってもらいます。カヴァレドッシのアリアの「妙なる調和」を二塚さん。トスカとスカルピアの情景「いくらなの」を平野さんと松澤さん。トスカのアリア「私は芸術に生き、愛に行き」を平野さん。
以上の紹介があり、歌ってくれました(写真は撮影禁止でしたので、会場風景です)。最後の第3幕カヴァラドッシのアリア「星が輝いていた」を二塚さんが歌われました。
河内長野市のラブリーホール小ホールで「トスカ」が、上記の歌手の皆さんによって、平成25年2月2日に行われます。
Written by マロンさん
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Update: 2012年12月06日
能楽を通じて語る個展のエンターテイメント
桃山大学の岸本教授(キャシー教授)の講座「能楽を通じて語る古典のエンターテイメント」が行われました。教授は「最初にロサンゼルスで、今年の9月に行われたコラボレーションの映像を見ていただきます。日米会館の日本庭園で行われたものです。写真の画像は、能の「井筒」の場面です。
本日の講演者は観世流能楽師シテ方の梅若基徳さんです。参加者の中には、能は難しくて何だという方もおられました。能は日本で生まれ、大昔から続いてきた神に対する祈りの芸能だと思います。途絶えることがなく続いてきて、難しいというものではありません」と話されました。
梅若先生からは、「祖先が続けてきたもので、理解してほしいと思います。舞台の構成とその後、1番から5番の切能までの種類の説明が行われました。更に続けて9月にロサンゼルスに連れて行ってもらいました。非常にうれしかった体験です。あの地に立てたことが、私にとっては良い体験です。アメリカでよく手入れされた日本庭園の舞台を作ってもらいました。ぎっしりの満員で、立すいの余地もない状況で、2階には立ち見席が設けられていました。ロサンゼルスは日系人が多いところなので、3世・4世の世代の人の参加が多かったそうです。自分のルーツに興味を示してくれました。
強く突き動かされた体験である心を、アメリカ人が持っていたことに感銘を受けました」と話されました。
「最後に高砂で唄われた有名な「高砂」の一節を皆さんで声に出して歌ってみたいと思います。覚えていただいて、お孫さんに聞かせてください。能や浄瑠璃等の邦楽は、絶対音階がありませんので、自分の歌いたい音(常音)で歌えばよいです。その後上がったり、下がったりすれば良いです」と、皆さんで練習しました。「高砂」では、「月下の住吉明神は、神々しく颯爽と舞い、悪魔を払いのけ、君民の長寿を寿ぎ、平安な世を祝福するものでした」という内容です。
Written by マロンさん
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Update: 2012年12月03日
秋のウォーク『二つの溜め池』と天野街道ウォーク
11月29日秋のウォークが実施されました。9時半に大阪狭山市駅前に集合した20名の方が参加されました。ガイド倶楽部からは7名が参加して、3班に分かれて順次出発しました。大阪狭山市の北条藩の陣屋跡を博物館ガイドの西川さんのガイドで楽しんでいただき、狭山池博物館へは予定より15分遅れで入場し、3人の博物館ガイドの方から、案内を受けていただきました。その後、狭山池の堤体を歩いて、岩室の観音院へ向かい、休息とトイレ休憩をして、西高野街道と分岐点の天野街道の起点へ出ました。陶器山の休息地で昼食を取りました。食後、天野街道を南下して河内長野へ向かいました。参加者の中でリュックの背中に、マジックで梵字が書かれている人を見つけて話を聞きました。ネパールの方に畑を貸していて、その方に書いてもらったとのことでした。今年は一緒にハワイに言って、年末にネパール行きを計画していたが、実現しなかったと話されました。色々な経験を持たれている人がいます。
歴史のある2つの溜め池を見学でき、無事皆さん元気に河内長野駅前に帰りつきました。有志5人で近くの飲み屋で、ビールと焼酎、たこ焼きを当てに、のどを潤して帰りました。楽しい13kmのハイキングでした。
Written by マロンさん