みんなの広場

学芸員の投稿
Update: 2012年12月06日
能楽を通じて語る個展のエンターテイメント
桃山大学の岸本教授(キャシー教授)の講座「能楽を通じて語る古典のエンターテイメント」が行われました。教授は「最初にロサンゼルスで、今年の9月に行われたコラボレーションの映像を見ていただきます。日米会館の日本庭園で行われたものです。写真の画像は、能の「井筒」の場面です。
本日の講演者は観世流能楽師シテ方の梅若基徳さんです。参加者の中には、能は難しくて何だという方もおられました。能は日本で生まれ、大昔から続いてきた神に対する祈りの芸能だと思います。途絶えることがなく続いてきて、難しいというものではありません」と話されました。
梅若先生からは、「祖先が続けてきたもので、理解してほしいと思います。舞台の構成とその後、1番から5番の切能までの種類の説明が行われました。更に続けて9月にロサンゼルスに連れて行ってもらいました。非常にうれしかった体験です。あの地に立てたことが、私にとっては良い体験です。アメリカでよく手入れされた日本庭園の舞台を作ってもらいました。ぎっしりの満員で、立すいの余地もない状況で、2階には立ち見席が設けられていました。ロサンゼルスは日系人が多いところなので、3世・4世の世代の人の参加が多かったそうです。自分のルーツに興味を示してくれました。
強く突き動かされた体験である心を、アメリカ人が持っていたことに感銘を受けました」と話されました。
「最後に高砂で唄われた有名な「高砂」の一節を皆さんで声に出して歌ってみたいと思います。覚えていただいて、お孫さんに聞かせてください。能や浄瑠璃等の邦楽は、絶対音階がありませんので、自分の歌いたい音(常音)で歌えばよいです。その後上がったり、下がったりすれば良いです」と、皆さんで練習しました。「高砂」では、「月下の住吉明神は、神々しく颯爽と舞い、悪魔を払いのけ、君民の長寿を寿ぎ、平安な世を祝福するものでした」という内容です。
Written by マロンさん